top of page

会計相談室

2012年5月29日 16:00:00

やさしい会計講座 2

Inage Hawaii

第2回「会計組織の基礎は流れをスムーズに」


 ニューヨークで、日系企業を中心にコンサルティング業を行っている譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙(ゆずけん))は様々な会社の会計コンサルテーションを手がけている。


 今日は、先月の会計セミナーに来ていた恵が譲謙のオフィスに訪ねて来た。恵は「会計組織を構築するためにはどうすればよいのでしょうか?」と切り出した。譲謙は「まず、会計組織を知るためには、会社の主な業務の流れを把握する必要がある」と言った。恵は自分の会社のメインの業務を頭に思い浮かべ、思いつくままに言ってみた。「まず、商品の発注をし、その商品がきたら検品をして、仕入れの処理をします。それから、注文を受けていたお客様に商品を出荷し、お客様に商品の請求書を発行し、回収します。最後に仕入先に仕入れ代金を支払います」。


 譲謙は「その通り。次に、その流れをグループ分けしてみよう」と言った。恵は「まず、商品の発注から仕入れまでが1つのグループで、お客様への発送と売上代金の回収がもう一つのグループかしら?」「そうだね。ただ、仕入れと売上げのグループは、それぞれ全く別々のグループではなくて売上げた瞬間に売上げとそのコストが同時にたつことで両者は結びついている。会計組織では、これらのグループの全ての取引が最初から最後まで一つの流れとしてスムーズに結びつく必要がある」と譲謙は言った。


 「一つの流れですか?」何のことだろう。何だかわかったようなわからないようなことを譲謙が言い出したので、恵の頭の中はぐるぐる回りはじめた。


<解説>


 仕入れのグループ(または仕入れサイクル)では、発注書から始まり、仕入伝票、棚卸資産元帳や買掛金の記帳、および支払いまで、多岐に渡る取引やインプットが必要です。売上げグループも同様です。


 会計組織の構築では、これらの関係のある取引やインプットの流れをおさえ、その流れが全てスムーズに結びついていることが重要です。会計組織がうまく機能していない場合には、取引の実態が会計組織にうまく結びついておらず、スムーズな流れができていないケースがほとんどです。ただし、ここでいう取引の実態とは経営者がこうありたいと思う取引実態をいいます。


米国公認会計士齊藤事務所:齊藤幸喜

bottom of page