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会計相談室

2022年7月29日 14:00:00

アメリカの会計基準

Inage Hawaii

「アメリカの会計基準はいったいどうやって作られているのじゃ」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称譲謙(ゆずけん))におもむろに聞いた。「日本には日本の会計基準があるように、アメリカにもアメリカの会計基準があります。通称 U.S. GAAP (Generally Accepted Accounting Principles) や GAAP と呼ばれます。U.S. GAAP は、主に公益の民間非営利団体である財務会計基準審議会(Financial Accounting Standards Board、略称: FASB)によって作成・改正されています。

アメリカ証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission、略称:SEC)は、アメリカ国内 (Domestic Companies)の上場企業について、U.S.GAAP に沿って会計報告がなされなければならないとしています。


一方、外国企業( Foreign Companies ) の場合、国際財務報告基準

(International Financial Reporting Standards、略称:IFRS)の使用を認めています。現時点でのIFRSのサイト(https://www.ifrs.org/use-around-the-world/use-of-ifrs-standards-by-jurisdiction/view-jurisdiction/united-states/)によると、SEC に登録している 500 以上もの会社が IFRS を適用していて、それらの会社の合計時価総額は 7 兆ドルにおよびます。


U.S. GAAP は、かつて多種多様な文書中にさまざまな条文やコメントの形で分散して存在し、過去 70 年間に 2000 以上の基準書が公表され、そのページ数は2万ページ以上にも上ったため、非常に複雑で使いこなすことが難しい文書でした。しかし、2009 年 6 月、FASB は FAS(Statement of Financial Accounting Standards)168 FASB Codification と一般に公正妥当と認められた会計原則の階層- FAS 162 の改定 (The FASB Accounting Standards Codification and the Hierarchy of Generally Accepted Accounting Principles – a replacement of FASB Statement No. 162)を公表し、アメリカにおける一般に公正妥当と認められた会計原則: U.S. GAAPとして、会計基準コーディフィケーション( Accounting Standards Codification, 略称: ASC)を利用すると正式に発表しました。これにより、基準のコード化やアメリカ会計基準の体系化・明確化が実施されました。ASC には、FASB 、アメリカ公認会計士協会(American Institute of Certified Public Accountants, 略称:AICPA)、新興問題専門委員会(Emerging Issues Task Force, 略称:EITF)のような基準設定団体によって公表されていた全てのガイダンスが含まれています。また、ASC には SEC の会計および開示要件も含まれます。

また、非常に複雑だった会計基準の枠組みも、ASC に含まれる権威ある会計基準(Authoritative)と ASC に含まれない権威のないガイダンス(Nonauthoritative)の2つのレベルに集約されました。Authoritativeには、今まで全ての FASB や AICPA などの会計基準や SEC の基準が含まれ、 Nonauthoritative には IFRS や専門団体や規制当局の公式発表、会計学の教科書、手引書、論文等が含まれています。」


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saikos.com):齊藤幸喜

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