税金相談室
2001年6月5日 22:00:00
予納過少納付ペナルティー
Q:予納過少納付ペナルティーを回避する方法があったら教えてください。
A:所得税にかかるペナルティーの一つに、予納過少納付ペナルティーがあります。これは、年内に納付してきた予定納税および源泉徴収税の合計額が、申告書上計算された税金額(これを確定申告額と呼びます)の90%に満たない場合に課せられるペナルティーです。
確定申告額を四半期分に分け、各期ごとに支払われた予定納税と源泉徴収額の金額を比べ、過少納付となった四半期について過少納付が解消するまで、または4月15日までの間のペナルティーとしてIRSの法定利率を適用して計算します。IRSの法定利率は、四半期ごとにIRSによって定められます。例えば、2001年第1四半期、第2四半期の利率は年率9%です。
しかし、予定納税および源泉徴収税の納付額が確定申告額の90%に満たなくても、過少納付ペナルティーが課されない場合があります。それは申告書提出時に支払わなければならない追加税金の金額が500ドル未満の場合です。またさらに、税金の納付額が前年度の確定申告額と同額以上であれば、納付額が確定申告額の90%以下であっても、過少納付ペナルティーは課されません。
ただし、前年度の確定申告額と同額以上を納付してあれば、過少納付ペナルティーを課されないという安全圏規定は、前年度の調整総所得が15万ドル以下の納税者にだけ適用されます。前年度の調整総所得が15万ドル超の納税者の場合は、前年度の確定申告額の110%を納付しておかなくてはなりません。前年度の確定申告額の100%または110%を納付しておくことにより、過少納付ペナルティーの回避が認められるのは、前年度に1年を通じて居住者であった納税者に限ります。
以上から予納過少納付ペナルティーを回避する確実な方法として、前年度の確定申告額納付の安全圏規定を利用することが挙げられます。特に給与以外の所得、例えば、自由業の事業所得、利子、配当、キャピタルゲイン、賃貸収入などの投資所得が入る見込みのある納税者は、過少納付ペナルティーを回避するために、前年度の確定申告額を参考にして予定納税の納付を行うことをお勧めします。
なお、給与からの源泉徴収税は、実際には不規則な納付がされていたとしても、1年を通じて平均して納付されたと見なされます。
前年度確定申告額納付の安全圏規定の適用を受けて過少納付ペナルティーを回避するためには、申告書フォーム1040にフォーム2210(Underpayment of Estimated Tax)を添付提出する必要があります。
KPMG特別顧問 米国公認会計士 大島襄