税金相談室
2007年1月21日 23:00:00
仕事に使った車の控除
質問:自分の車を仕事に使いました。控除の計算方法を教えてください。
答え:自分の車を仕事に使った場合、個人所得税の計算上控除が認められます。「標準マイレッジ法」または「実額法」のいずれかの控除方法を適用して控除の計算を行います。
標準マイレッジ法
自分の車を会社の仕事または自営業の事業に使った場合、個人所得税の計算上控除が認められます。控除は「標準マイレッジ法」または「実額法」のいずれかの控除方法を適用して計算します。
標準マイレッジ法は、車の事業用の走行マイルに標準レートを掛け合わせた金額を控除する簡便法です。この方法を適用すると、ガソリン代、保険料、減価償却費など、車の維持に要した実費の記録を保存しておく必要がありません。初年度に標準マイレッジ法を選択すると、後の年度も同方法を継続適用できます。実額法を選択した場合は、後の年度に標準マイレッジ法に変更することは認められません。
2007年の標準マイレッジ・レートは1マイルにつき48・5セント(毎年変わります)です。標準マイレッジ・レートは医療や転勤目的の場合は20セント、慈善目的の場合は2-0セントです。標準マイレッジ・レートは毎年インフレ調整が施されて増額します。
実額法
実額法は、車のガソリン代、オイル代、保険料、修繕費、登録料、維持費、減価償却費など、実際に事業に使った金額を控除する方法です。車を事業だけに使用している場合は、全額控除の対象となりますが、一部を私用に使っている場合は、事業用マイル数が年間合計走行マイル数に占める割合で按分計算した金額が控除の対象となります。
減価償却
税法上、車やコンピューター、携帯電話などは「特定資産」(Listed Property)と呼ばれ、減価償却の計算に制限が加えられます。2007年に購入した車の減価償却の年間上限額は次の通りです。
2007年 3,060ドル
2008年 4,900ドル
2009年 2,850ドル
2010年以降 1,775ドル
車を私用と事業用の両目的に使用する場合、事業目的の割合が50%超でなければなりません。按分計算によって私用目的分は減額されます。事業目的の割合が50%以下である場合は、償却方法は定額法を適用しなければなりません。後の年度に事業目的の割合が50%以下に下がった場合は、減価償却の再計算による控除の調整を行わなければなりません。
記録の保存
控除を証明するため、車の使用に関する記録を保存しておかなければなりません。車による訪問先の会社名と住所、訪問日、訪問の目的、走行距離などの記録は、標準マイレッジ法と実額法のどちらの方法を適用する場合でも必要とします。実額法を採用した場合は、ガソリン代、オイル代、修理代、保険料、車の購入価格と減価償却などの詳細記録の保存が必要です。
なお、高速道路(トール)料金と駐車代は、標準マイレッジ法と実額法のいずれの方法の場合も追加控除が認められます。
控除の証拠書類は、申告書に添付して提出するのではなく、後日、IRS(内国歳入庁)による税務調査の際、提出を求められた時のために、最低でも3年間は保存しておかなければなりません。
申告方法
会社の従業員は、項目別控除の一つとして、フォーム2106(被用者勤務経費)に車の費用を申告して、確定申告書フォーム1040に添付して提出します。自営業者は、車の費用をスケジュールC(自営業事業所得)の必要経費として申告して、確定申告書フォーム1040に添付して提出します。