税金相談室
2007年3月12日 22:00:00
代替ミニマム税(AMT)とは
質問:代替ミニマム税(AMT)について教えてください。
答え:諸控除や優遇措置の適用により低く算出した場合、これらの減税措置を除いて計算した税金を追加で支払う必要があります。この追加の税金を代替ミニマム税(AMT)と呼びます。
代替ミニマム税の目的
代替ミニマム税(AMT)は、比較的高額所得の納税者が、減税措置を利用して納税額を極度に少なく計算できないようにする税法の仕組みです。AMTは、項目別控除や加速減額償却、免税利子などの減税措置の適用によって通常の所得税が低く計算された場合に、減税措置を除いて計算した代替税金を追加で徴税することを目的としています。
AMTの計算はフォーム6251で行い、確定申告書フォーム1040に添付して提出します。
AMT税額の計算
通常の課税所得(調整総所得マイナス諸控除)に減税措置を加えてAMT課税所得を計算します。AMT課税所得からAMT控除を差し引き、AMT税率(26%/28%)を掛けて得られたAMT税額と通常の所得税を比べた際の超過額が、支払うべき追加税額です。
減税措置
課税所得に加える減税措置は、次の通りです。
・人的控除(基礎控除、配偶者控除、扶養控除)
・概算額控除
・項目別控除のうち、諸税金、医療費、その他の控除
・非居住目的の住宅ローン支払利子
・加速度減価償却
・免税債利子
・消極的収益および損失
AMT控除
AMT控除の金額(この金額は変わることがあります)は、次の通りです。
・ 既婚者合算申告・独身 5万8000ドル
・ 特定世帯主 4万250ドル
・ 既婚者個別申告 2万9000ドル
AMT課税所得がAMT控除以下の場合は、AMT税額は発生しません。
高額所得者は、AMT控除が全額認められず、AMT課税所得が増えるに伴って控除額は段階的に減り、一定額を超えると控除額は消滅します。AMT課税所得が次の金額を超えると、1ドル増加するごとにAMT控除は25セント分減額します。カッコ内の金額にAMT課税所得が達すると、控除額は完全に消滅してゼロになります。
・夫婦合算申告 15万ドル(40万200ドル)
・独身・特定世帯主 11万2500ドル(28万2500ドル)
・夫婦個別申告 7万5000ドル(20万100ドル)
AMT税率
AMT税率は、AMT控除後のAMT課税所得の金額が17万5000ドル未満は26%、17万5000ドル以上は28%です。
AMTに影響を与えない控除
転勤費用やIRA拠出金、学生ローン支払利子、離婚扶助料、自営業諸控除などの所得調整控除は、AMT税額計算上も控除が認められるため、直接的な節税効果があります。