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会計相談室

2012年4月16日 13:00:00

投資についての不正取引

Inage Hawaii

Q. 投資についての不正取引とはどのようにして行われるのでしょうか?


A. 投資は、大きく分けて持分証券と負債証券への投資に分けられます。持分証券とは、会社の持分を保有していることをいい、例えば、他の会社への出資をいいます。負債証券とは、他の会社への貸付をいい、例えば、長期の預金証券の購入などをいいます。投資した場合、一般的に有価証券というかたちで保有することになります。前回に引き続き、投資の不正について解説したいと思います。


1. 資産の横領関係:

②投資の借入れによる不正会社の投資有価証券を個人消費のための借入の担保に差し入れる不正の方法です。もしも、貸手側が担保の投資有価証券の現物の引渡しを要求しない場合、発見は容易にはできなくなります。投資の不正借入れによるの不正の兆候は以下の通りです。


- 会社から従業員への投資有価証券の売却- 通常考えられない団体による有価証券の保管- 会社で認識していない投資有価証券の担保を示している事実がある


2. 財務諸表に関わる不正関係:

①不適切な会計手続の採用不適切な会計手続の採用による不正は、一般的に以下の方法を組み合わせて行われます。

- 不正な利益を切り下げるために会計方針を変更する- 投資の評価の方法を恣意的に変更する- 投資に関する担保設定を開示しない②会社が保有していない投資を計上する不正会社の資産を膨らませるため、偽の投資や自社で保有していない投資を資産計上します。これは、投資を担保として使用するためや投資家や貸付金要件を満たすために会社の純資産を膨らませる必要があるために行われます。


① 投資有価証券を売却したのにも関わらず売却損益を計上しない不正この不正では、資産を過大計上するために投資有価証券の売却を計上しません。現金預金が資本または負債取引として会社に還元されることになります。しかしながら、実際には、売却収入は別の使途に流用されることが多いです。


(次回より、ニューヨークやさしい会計物語を始めます。)


齊藤幸喜

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