税金相談室
2008年2月8日 23:00:00
諸税金控除
質問:諸税金控除として認められる税金にはどのようなものがますか? 答え:州・市所得税や固定資産税、動産税、外国所得税などの諸税金は、項目別控除の一部として控除が認められます。 州・市所得税(State and Local Income Tax) 州や市、カウンティー(郡)、市町村の所得税は、源泉徴収票(フォームW-2)に記載された金額と予定納税として払い込んだ金額の合計額が控除の対象となります。ペナルティーや延滞税(利息)は控除が認められません。 州の疾病保険基金(Disability Insurance Fund)および失業保険基金(Unemployment Insurance Fund)向けの従業員による強制拠出金も、州の所得税として控除が認められます。ニュージャージー、ニューヨーク、カリフォルニア、アラバマ、ロードアイランド、ウエストバージニアの各州の源泉徴収票(フォームW-2)にはこれらの基金への強制拠出金が記載されています。 納税者は、州・市所得税の代わりにセールス・タックスの控除を選ぶこともできます。アラスカ、フロリダ、ネバダ、サウスダコタ、テキサス、ワシントン、ワイオミングなど、所得税の制度がない州の居住者で項目別控除方式を選んだ納税者は、セールス・タックスを控除します。 固定資産税(Real Property Tax) 固定資産税は、土地や建物などの不動産にかかる税金で、米国内だけでなく国外にある不動産にかかる税金も控除が認められます。住宅ローン支払利子控除のように、2軒分までという制限がないため、3軒以上の住居の固定資産税や土地のみの所有で支払う固定資産税についても、控除が認められます。 住宅ローンを組んで住居を購入した場合は、住宅ローンの毎月の返済額の中に「預託管理(エスクロー)」という形で銀行への税金預託支払額が含まれていることがあります。固定資産税の請求書は、納税者ではなく銀行へ送られ、銀行はエスクロー勘定に累積されてきた資金から固定資産税を支払います。年明けに銀行から送られてくる住宅ローンおよびエスクロー勘定の明細書の中に、控除可能な支払利子と固定資産税の金額が記載されています。 エスクロー勘定への支払額を固定資産税として控除するのではなく、エスクロー勘定の資金の中から、固定資産税として銀行が実際に政府へ払い込んだ金額が、控除できる金額です。 動産税 (Personal Property Tax) 動産税は、個人が所有する不動産以外の有形資産、例えば乗用車やトラック、ヨット、飛行機などの動産の価値に対して、州または地方自治体政府が徴収する税金です。 動産税の制度があるのは、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、コネティカット、ジョージア、インディアナ、アイオワ、メイン、マサチューセッツ、ミネソタ、ミシシッピー、モンタナ、ネブラスカ、ネバダ、ニューハンプシャー、ノースカロライナ、オクラホマ、ワシントン、ワイオミングの19州とワシントンDCです。車の場合は、登録料を除いた、車の価値にかかった税金部分のみ、控除が可能です。 外国所得税 (Foreign Income Tax) 項目別控除の一つとして外国所得税も控除が認められます。例えば、日本で受け取る利子、配当、家賃収入などの所得に課される源泉徴収税です。 外国所得税は、「税額控除」または「項目別控除」のどちらかの方式を納税者が選択できます。毎年選べるため、一度選択した方式を継続して適用する必要はありません。 外国で払った税金すべてが認められるわけではなく、米国の所得税やキャピタル・ゲインに課される税、非居住外国人への利子・配当などの支払いに課される源泉徴収税と同等の税金でなくてはなりません。