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会計相談室

2023年3月31日 13:00:00

Payroll Reconciliation

Inage Hawaii

Q:年末にIRSから通知が! Payroll Reconciliationをするメリットはなんでしょう?


A:毎回の給与支給の際に避けて通れないのが、支給額に応じて差し引かれる給与税。あー、これが引かれていなければなぁ、なんて思いながら給与明細を見た経験が皆さんにも一度はあるのではないでしょうか。ですが、もしその引かれている給与税が実は間違っていて、多く、もしくは少なく払っていたとしたら?年末近くになってIRSから手紙が届いて「金額が違います。〇日以内に返信を」なんて書いてあったら、安心して年も越せませんよね。でも、それって事前には分からないのでしょうか?いいえ、きちんと定期的に確認をしていれば、安心して新年を迎えられるのです。


会社の給与部門が定期的に給与税を確認する作業をPayroll Reconciliationといい、IRSから4半期ごとにForm 941という給与税額が記載された資料が発行されるため、通常4半期ごと(1~3月、4~6月、7~9月、10~12月)に行います。Form 941に記載されている内容と該当の期間に差し引かれた金額が一致しているかを確認し、違いがあれば、何がいくら違うのかを確認し原因を突き止める作業を行います。原因が自社にあれば正しい額への調整が必要になりますし、IRSにあれば問い合わせを行います。


以前にPayroll Reconciliationを行っていない企業が年末にIRSからの手紙を受け取り、大きな差額があることが判明しました。遡って確認をすると、支給額にかける税率の計算が一回分間違っていたことが原因であると分かりましたが、1年間分の一人ひとりの毎回の支給額、各項目ごとの毎回の給与税額、その合計金額をすべて確認し、一つひとつ金額が正しいか、雇用主から発行されるW-2と毎期のForm 941との記載に差異がないか、ということを確認していくのは、超上級者レベルの間違い探しのようなもので、膨大な時間と労力を要します。これを4半期ごとにPayroll Reconciliationをして確認しておけば、確認する期間も項目も少ないので、少ない時間と労力で間違いを見つけられるようになり、また、間違いに気付くのが早ければ早いほど、その後の処理もスムーズに進む、というわけです。


これを知ると、私の会社の給与税は定期的に確認しているのかな?と、ちょっと不安になってきますよね。もしもあなたの会社がまだPayroll Reconciliationをしていないのであれば、ちょうど良い機会ですので2023年から始めてみてはいかがでしょうか?

 

吉中恭子

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